背中の筋肉を鍛えるトレーニング方法

2022年8月1日

綺麗な姿勢、綺麗なボディラインというのは正面ではなく自分では見えず他人からは見える背面の重要な筋肉部位です。筋肉自体の面積も広く、代謝にも大きく影響のある背中の筋肉を放っておく訳にもいきません。トレーニングの一環として取り入れたい部位の1つです。

目次

●背中の筋肉とその役割とは?

【広背筋】

広背筋は背中の見栄え、両サイドのボディラインを綺麗に魅せる部分に相当し、腕の上げ下げ、手前に引くなどの動作に使用しています。動かす関節部位も多いことから、肩や肩甲骨を始めとし、肘関節も使用するので広背筋のエクササイズを行うイコール腕周りも同時に鍛えることが出来ます。また、背中が丸まるなどの猫背は主に広背筋の弱化によって引き起こされますので姿勢を良く見せる為にも重要な筋肉です。

【脊柱起立筋】

脊柱起立筋は身体を安定させ、腰痛予防や広背筋同様に猫背などを防ぐためにも必要になってくる筋肉です。また、脊柱起立筋群という名前でも呼ばれることもあり、多くの筋肉を纏めた総称でも取り上げられます。身体の中央を通っており、骨盤の部分から首まで長い距離を走っていますので身体を支える中枢部とも言えます。

【僧帽筋】

僧帽筋は肩甲骨の動きに影響を及ぼし、こちらも猫背など改善予防に重要な筋肉です。
これらの筋肉は動かす際に使う関節も異なることが多く、意識をして動かさないと使用しないというケースが考えられます。それこそ腰痛や姿勢が悪くなっているというのはこれらの筋肉が弱化している傾向です。トレーニングの際に最も取り組んでいく必要のある筋肉です。

●背中の筋肉が鍛えにくい理由

背中は鍛えにくい部位と言われています。その理由は何故なのか。普段の生活やトレーニングで当てはまっている部分がないか見てみましょう。

背中の筋肉が鍛えにくい理由①

視界から入ってくる物や動きというのは反応しやすく意識をしやすいものです。しかし背中はエクササイズ中に筋肉の動きを目で見ることが出来ません。そのため、筋肉を意識しにくいのです。また、大きい筋肉のわりに自分の背中にどのくらい筋肉がついているかも認識することが少なく、特に初心者は、どうしても見やすい身体の前面を重視して鍛えてしまいます。その方がトレーニングをしている気にもなりますし、達成感が得られるのも要因の1つです。

背中の筋肉が鍛えにくい理由②

トレーニングというのは「負荷」というものから避けては通れません。もちろん重い/軽いはありますが、背中の筋肉を使用するために動かす関節の関係から腕周り。特に「上腕二頭筋」へ真っ先に働きがかかります。イメージしてみてください。少し重たい荷物を床から机に置く。頭上の棚から荷物を取り出すなどの動きは広背筋を使う動作でありながら広背筋を使っている意識があるでしょうか。恐らく多くの人は腕の力で賄えてしまうのが殆どです。そのため、背中の筋肉を鍛え辛いということに直結してしまいます。腕を使い易いというのが背中を使う妨げになっていると言っても不思議ではありません。

●背中の筋肉を鍛えるメリット

背中の筋肉を鍛えるメリット①:姿勢改善

昨今の社会生活ではスマートフォンやパソコンの使用率が飛躍的に上がり、背中より首が前に出て背骨が丸まっている時間が長く続いています。筋肉は伸びると縮もうとする性質はありますがそれにも限界があり、次第に伸びきった状態から戻れなくなって姿勢が悪くなります。背中のトレーニングを行うことによって真っすぐな綺麗な姿勢をキープできます。

背中の筋肉を鍛えるメリット②:肩こりや腰痛予防

僧帽筋や脊柱起立筋が弱化してくると肩甲骨が開き肩が前に出てしまい、腰が丸まってきてしまいます。伸びきっている筋肉は衝撃や刺激を受け止めることが難しくなり、各関節にストレスがかかり易くなって次第に痛みなどへと繋がります。背中周りのトレーニングを行うことで予防改善へ繋がる可能性が高くなります。

背中の筋肉を鍛えるメリット③:基礎代謝の向上

基礎代謝は所謂燃費であり、基礎代謝が高いということは太り辛く健康的な身体を維持出来るという意味に繋がります。基礎代謝量は筋肉量に比例すると言われていますので面積の大きい背中の筋量が増えるというのは基礎代謝の向上に直結します。鍛えることが難しい箇所であるからこそ鍛えることが出来た時は大きな意味を持ちます。姿勢改善だけでなくダイエットなどにも重要となる筋肉です。

●背中の筋肉を鍛えるトレーニング方法

背中は腕の使い方や、体幹周りを工夫することによって様々なトレーニング方法が存在します。自分で見ることが出来ない分、意識がし辛いですが関節の動かし方にその解決策が隠されていますのでみてみましょう。

背中の筋肉を鍛えるトレーニング方法①:ダンベルベントオーバーロー

1. 脚は肩幅(バランスの取れる程度)に開きます。
2. ダンベルを持ったまま背筋を伸ばした状態で腰を曲げます。その際の角度は胸とおへそが床と平行になるくらい傾けられるのが好ましいですが、腰に不安がある場合は少し浅くても問題ありません。
3. 手の甲が前、又は外側を向き、下に降りているダンベルを肩甲骨を内側に寄せながら脇をしめながら肘を腰骨の方へ引き寄せます。ダンベルがおへその方に来るイメージです。
※動作のポイント/バリエーション
・腰を曲げた時に背中が丸まりやすくなります。腰への負担を減らすために背筋は伸ばしましょう。
・肘を締めながらではなく、逆に脇を開きながらダンベルをおへその方に上げていきます。その時の肘の角度は90°位が目安です。そうすると背中の中心を使っていた広背筋から、外側の広背筋を使うことが出来ます。背中のラインを整えたい場合はオススメのトレーニングです。

背中の筋肉を鍛えるトレーニング方法②:ワンハンドダンベルロー

1. 椅子やフラットベンチ台に片膝を乗せ、上体を倒します。その際に頭からお尻までが一直線になるようにします。
2. 膝を乗せた反対側の脚は軽く後ろに引き、同じ側の手にダンベルを持ったら腕を下に下ろします。
3. 手の甲が横を向き、脇を締めながら肘を腰骨の方へ引き寄せ肩甲骨を寄せます。
※動作のポイント/バリエーション
・ダンベルを上げた際に肩と胸が開かないように注意します。
・手の甲が内側を向き(手首が外側)、肩関節を内側に捻った状態からダンベルを捻じりながら引き上げます。(肩関節を外側に捻じる)フィニッシュポジションは手首が前を向く状態です。そのやり方により肩甲骨が内側に寄るので背中を使っている意識が高くなります。

背中の筋肉を鍛えるトレーニング方法③:ダンベルプルオーバー

1. フラットベンチ台に仰向けになります。
2. 両手で持ったダンベルを天井の方へ持ち上げ肘は伸ばしきらず軽く曲げた状態をキープします。
3. 息を吸いながらバンザイをするようにゆっくりとダンベルを頭の方へ下ろしていきます。
4. ダンベルの重りに背中が引っ張られるのを感じて、ダンベルを元の位置に戻します。
※動作のポイント
・バンザイ動作(ダンベルを下ろした時)の時に腰が反り過ぎないように注意しましょう。
・胸郭が広がるトレーニングにもなるので運動のウォーミングアップとしても活用できます。

●背中の筋肉はヨガでも鍛えられる?

ヨガで得られる効果①:姿勢の改善

ヨガは姿勢を正して行うポーズが多いため、自然にお腹やお尻、内ももを使うことが多くなります。そのため、背骨を真っすぐに保つ筋力を鍛えることも出来、脊柱を整え綺麗姿勢を作る事が出来るようになります。

ヨガで得られる効果②:猫背の改善

猫背は骨盤の後傾と、背中(広背筋・脊柱起立筋・僧帽筋)の弱化によって引き起こる原因と言えます。ヨガでは骨盤の前後傾させる動きが沢山出てくるので、骨盤をリセットできニュートラルの状態に戻すことが出来ます。同時に弱化した背中の筋肉を鍛えることも出来るので猫背の改善に繋がります。

ヨガで得られる効果③:ウェストの引き締め

お腹を鍛える腹筋トレーニングのように直線的な動きだけでなく、ヨガは捻じり/回旋運動も多くあり、ねじりのポーズを意識して行うことにより、腹斜筋にも大きなアプローチがかけられるようになります。更に呼吸(腹式)の意識を高めることで内臓にもアプローチが入りウェスト周りの引き締め効果も期待できます。

ヨガで得られる効果④:肩こり予防改善

肩こりの主な原因の1つとして血行不良が挙げられます。デスクに向かう時間と反比例して肩周りを動かさないと筋肉が固まり「凝り」となります。
主な筋肉は僧帽筋になりますが、僧帽筋は肩関節、肩甲骨を動かすことによって作用しますので各関節を沢山動かすヨガは肩こり予防改善に適しているといえます。

ヨガで得られる効果⑤:基礎代謝アップ

基礎代謝は筋肉量に比例しています。筋肉の中で非常に面積の広い背中を鍛えられるというのは基礎代謝アップへダイレクトに繫がります。
一日の消費カロリーは基礎代謝+活動量になりますので大本の基礎代謝を筋肉量で増やし、ヨガを行って活動量を増すと一日の消費カロリーは大幅に向上し、太りつらい身体になっていきます。

ヨガで得られる効果⑥:ぽっこりお腹の改善

ぽっこりお腹の原因は多くありますがその1つとして姿勢の悪さが挙げられます。
先ず、姿勢が悪くなるとコア(体幹)の働きが弱くなりインナーマッスルが弱化してゆきます。インナーマッスルが弱くなると骨盤が開き、支えられなくなった内臓が下がってきてしまうようになります。そうすると下っ腹が出てぽっこりお腹になっていきます。
腹筋をするのも大切ですが、姿勢改善を行うと大きく改善されていきます。

●背中が鍛えられるヨガポーズ3選

背中を鍛えるヨガポーズ①:スフィンクスのポーズ

1. うつ伏せになります。
2. 両手を胸の横に置きます。
3. 腕の力を使って上体を少しだけ起こします。
4. 両肘を肩の真下に置きます。
5. 手の平は床につけます。
6. 足首は伸ばし、つま先を後ろに向けます。
7. 脚の甲でも床を押します。
8. 目線は斜め前の床で、軽く顎を引きます。
9. その状態で3呼吸~5呼吸程度キープします。

背中を鍛えるヨガポーズ②:弓引きのポーズ

1. うつ伏せになり、おでこを床につけます。
2. 脚は腰幅に開き、脚の甲は床につけます。
3. 両手は体側に伸ばして、手のひらは床につけます。
4. 両膝を曲げて、両手で足首を内側から掴みます。
5. 息を吸いながら両脚で後ろの壁を蹴るようなイメージをして両ももを床から離します。
6. 胸を引き上げて、目線は斜め上に向けます。
7. その状態で3呼吸~5呼吸程度キープします。

背中を鍛えるヨガポーズ③:猫のポーズ

1. 四つん這いになります。
2. 息を吐きながら両手の平で床を押しながら背中を高く持ち上げます。
3. 頭の先と尾骨を下に向けます。
4. 息を吸いながら尾骨を斜め上に向け、腰と背中を反らせながら頭の先を斜め上に向けます。
5. 呼吸に合わせながらこれを繰り返します。

●効率的に背中を鍛えるコツは?

身体を現状から変えていくというのは正直簡単なことではありません。
普段行わずにいた「運動」をするというのは身体に対して「ストレス」が掛かります。
ストレスと聞くと一見ネガティブ要素が強いイメージかもしれませんが、適度なストレスを身体に与えることによって身体は「強くなろう!」と変化しようとします。
それが運動です。そしてその運動にも多く種類が存在します。何かに偏ることが無いように行うのが一番ベストなので、筋力トレーニング以外にも意識していただきたいことを見てみましょう。

効率的に鍛えるコツ①:有酸素運動とストレッチ

先ずは有酸素運動とストレッチです。有酸素運動とストレッチに筋力トレーニングを足したものを「3大トレーニング」と言います。筋力トレーニングをしっかりと行うためには柔軟性も必要になりますし、有酸素運動を行うためには筋持久力や、筋力も必要になります。そしてクールダウンのケアとしてストレッチは必要不可欠です。このようにどのトレーニングを行うにしてもこの3つを常に意識することによって怪我予防から精度の高い運動が行え、効率よく身体を鍛えられるようになります。

効率的に鍛えるコツ②:休息と栄養

最後は休息と栄養です。人に限らず殆どの生き物は睡眠を必要とします。それは生きる為に必要なものだからです。「身体を休める」というのはリカバリーの回復と同時に成長を促します。赤ちゃんが沢山寝るのも成長過程にあるからだと思っています。時間が少なくなったといえど、大人も寝ている時に身体が成長するものです。同時に次の日の活力にも繋がりますので怠らずにしたい部分ですね。また、その成長の効率を更に高めるのは食事。栄養の存在です。言わずとも栄養が入ってこなければ人は動けませんし健康でいられません。
炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素を適切に摂取することが何よりも重要です。

●背中のトレーニングに関するQ&A

よくある質問①

Q:【背中のトレーニングで腕や握力が先に疲れてしまいます、どうしたらいいですか】
A:背中のトレーニングを行う際は必ずと言っていい程腕を使います。その影響で、腕に比べて面積が広くて力のある背中のトレーニングを行っていても先に腕や手が疲れてしまうというケースは珍しくありません。そうなると「効いている」感じも薄く、モチベーションに影響する傾向も考えられます。改善の手段としては幾つかありますが、トレーニンググローブやリストストラップを着用すると改善されていきます。
最初は抵抗があるかもしれませんが着用するのとしないのでは効果の差は歴然です。非常にトレーニングが行いやすくなるのでお勧めしたいところです。それ以外でも、腕が疲れるという事は次第に強くなってきますので「慣れ」てくるのも間違いありません。

よくある質問②

Q:【週に何回くらいトレーニングしたらいいの?】
A:背中は「大筋群」と呼ばれる程非常に大きい筋肉ですので、回復にもそれなりの日数を必要とします。一般的には中3日程空けると良いとされています。しかし、疲労度や筋肉痛の程度によって前後されます。連日立て続けに行うことは避けましょう。
先述していますが、回復はとても重要なのでスケジュール的に難しかったら無理しない程度に中3日程度を基準にしていくと良いと思います。

よくある質問③

Q:【背中のトレーニングで気を付けた方が良いことはなんですか?】
A:背中のトレーニングは肩関節を多く使用し、「引く」という動作が沢山出てきます。
その為、「肩が上がる」ことに気を付けたいところです。人は力んだり力を込めると肩が上がる傾向があります。それに流されてしまうと背中より「肩」「腕」に効いてしまい負荷が背中に入り辛くなります。焦らずに肩を落とし、力を入れても綺麗な姿勢で行うことが重要になってきます。

●まとめ

背中というのはトレーニング次第で自分の身体を見違えさせてくれるような部位となっています。男性でしたらたくましく厚みや幅を持たせ、女性でしたら後ろからの綺麗なラインを生み出すことができます。基本的なトレーニングが身に付いてきたら肩関節や肩甲骨を上手く使い分けることによって更にトレーニング効果が高まってきます。最初は難しいトレーニングが多くあるかもしれませんが皆様のお役に立てたら光栄です。

執筆者:講師B

指導歴18年のINSPA社員。
INSPAのヨガ養成部門「アカデミア」の講師として、身体の基礎知識や解剖学など一から研修し、未来の輝くヨガインストラクター・トレーナーの育成を手がける。
‣保有資格
JHCAフィジカルコンディショナー
ラディカルフィットネス:ファイドウ オフィシャルトレーナー
ラディカルフィットネス:ユーバウンド オフィシャルトレーナー
全日本剣道連盟 剣道四段 剣道指導者
‣指導実績
フィットネスクラブでの指導
累計スタジオレッスン本数3,500本

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※店舗で販売もございます。
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