2023年2月1日
お尻周りというのは女性の体系維持としての需要、またスポーツクラブでの要望の中で、お腹周りや脚周りに次いで多くのご意見をいただく部位になります。
捉え方によっては「脚のトレーニングをしていればお尻も使えてるでしょ?」という意見もあると思います。もちろん使えてはいますが、より効果が出るような方法も記載し、少しでも参考にしていただけたらと思います。
●お尻を鍛えることの重要性
身体にメリハリを
メリハリのある身体は、平面的な横幅の大小だけでなく立体的な凹凸で構成されています。
身体の凹凸は、正面側については鏡を見ることで自分でも意識しやすいですが、後側・横側についても意識するのは難しいものです。後側・横側についても意識して取り組んでいくことで立体的なメリハリのある身体が仕上がります。
結果が出てくると、正面からだけでなく、後側・横側からの自分の姿にも自信が持てるはずです。
お尻は下半身と連動しているので、使用頻度という意味では少なくない部位になります。
しかし、その他にも隠れて連動しているのがお腹周りと腰周りで、お尻の弱体化によって骨盤のズレや、腰痛などにも影響が出始めてきます。「見た目」だけでなく健康という意味でも重要な部位と言えるでしょう。
●お尻を鍛えるメリットは?
お尻を鍛えるメリット① 大筋群と呼ばれるお尻
お尻を鍛える事によって得られるメリットは「見た目」だけではありません。
人の身体には非常に多くの筋肉が存在しますが、その中で大筋群と呼ばれる面積の広い筋肉はそう多くはありません。その中でお尻の筋肉は大筋群の部類に入りますので、筋量が増えれば基礎代謝の増加にも繋がり、太り辛い身体にもなってきます。
お尻を鍛えるメリット② 腹筋とのバランス
腹筋トレーニングはボディメイクであったり、ダイエットの運動でほぼ必ずと言っていい程取り入れられる運動です。しかし、腹筋ばかり鍛えていくと次第に骨盤が後傾し始めて腰が丸まり綺麗な姿勢とは呼べなくなってきます。そこで同時にお尻を鍛えていくとバランスが取れ、綺麗な身体に仕上がります。
お尻を鍛えるメリット③ 浮腫みの改善
多くの方が長距離を歩いたり、ずっと立ちっぱなしの1日を過ごした後に感じるのは先ずは「脚が疲れた」だと思います。しかし、「お尻が疲れた」という方は少ないのではないでしょうか。
このことからも脚周りの疲労を感じる方が多い為、ケアを取り入れる頻度は高くなりますが、脚と連動しているお尻もかなり疲労が溜まっているようになります。既述しましたが大筋群ということから疲労やコリからの血行不良が続くと浮腫みにも繋がります。お尻周りのケアを行うのも忘れずにしたいですね。
お尻を鍛えるメリット④ スタイル
最後はやはりスタイルでしょうか。こちらも既述していますが立体感があると非常にスタイルが良く見えます。ヒップアップしていると脚が長く見え、引き締まっていると細く見えたりします。
デニムジーンズなど、ボディラインに沿った服装の時は尚更見栄えがするでしょう。
●自分のお尻の状態を知るには?
先ず、どのような状態だったらお尻のトレーニングを始めるべきか。という観点についてですが、一番はいまの自分に満足しているか否かというのが第一です。しかし、それではその時の気分や今後のモチベーションに影響が出てしまうかもしれませんので、あくまでも1つの参考程度ですが、脚にフィットするデニムなどを着用し、鏡などで脚と腰周りをチェックしてみましょう。
その中で、先ずは後ろ向きでお尻が肩幅程度まで広がっている。又は、横向きで見た時にお尻の張りがなくのっぺりしていたら筋力低下が伺えると思います。
●美尻になるためのお尻のトレーニング5選
ここからは美尻になるためのトレーニングを幾つかご紹介します。
スタート前に抑えておきたい点として、股関節の動く方向によってアプローチのかかるお尻の筋肉部位が異なる。ということです。
簡単にいいますと立った状態で脚を前後に動かすと大殿筋という尾てい骨から左右にある筋肉を使うためヒップアップに効果的です。また、脚を左右に動かすと中殿筋と大殿筋の横側を使え、お尻の横幅を小さくするシェイプアップ効果が期待できます。
※回数は10回~15回を3セット程度を目安とします。
お尻のトレーニング① スクワット
脚を肩幅程度に広げ、両手は前に伸ばすか、腰にあてます。
背筋を真っすぐ伸ばしながら、後ろの椅子に腰を下ろすイメージでお尻を下におろしましょう。
ももが、床と平行になる程度まで下ろせたら下ろし、ゆっくりと立ち上がります。
呼吸は息を吸いながら下ろし、吐きながら上がります。
※注意点
・膝とつま先は正面に向ける。
・腰を下ろした時に膝が前に出ない。
・背中が丸まらない。
綺麗なフォームで行うには慣れが必要ですが、脚全体を使え、お尻周りのトレーニングになります。
お尻のトレーニング② ランジ
※片脚ずつ行います。以下右脚のトレーニングで記載します。
両手を腰におき、右脚を前に踏み出します(歩く幅よりやや広く)。
背筋を伸ばした状態で膝とつま先を正面に向け、ゆっくりと左膝を床に近づけます。
その際に両脚の足首~膝。膝~股関節の角度が直角になっているように脚幅を確認します。
ランジは後ろ脚にも負荷がかかっていますが、基本的には前脚を意識してトレーニングをします。
左膝が床に近づきましたら、右脚で床を蹴るイメージを持って身体を元の位置に戻します。
※注意点
・膝を下ろした際に前脚の膝が足首より前にいかないようにします。
・膝を下ろした際に状態が前に倒れないようにします。
お尻のトレーニング③ ヒップリフト
両手は床に置いて仰向けの状態になります。
両脚の踵を座骨(お尻)の方へくっつかない程度に引き寄せます。
腰を床から離すようにお尻の力を使って持ち上げます。
腿からお腹まで綺麗な坂になるくらいまで上げられたら腰を戻します。
※注意点
・最初の仰向けの状態時に、通常のヒップリフトより踵をお尻に引き寄せています。
踵とお尻が離れた状態で行うとモモ裏に負荷が強く入るので、お尻を鍛えたい時は踵をお尻の方へ近づけるのがお勧めです。
お尻のトレーニング④ ヒップエクステンション
※片脚ずつ行います。以下右脚のトレーニングで記載します。
うつ伏せで四つん這いの状態になります。
右脚の膝を伸ばし、踵を腰のラインから上にくるように脚を持ち上げます。イメージとしては踵が天井から吊り上げられている感じです。右の腰が開く手前で元の位置に戻します。
別バージョンとして、膝を90度に曲げた状態でも行えます。上記のやり方で腰が開きやすい方はお勧めです。
※注意点
・足首は伸ばさず、踵を天井に向けて上げる事を意識するとよりお尻に効いてきます。
・脚を上げた際に腰が開き過ぎるとお尻から力が逃げていきますので気を付けましょう。
お尻のトレーニング⑤ ヒップアブダクション
※片脚ずつ行います。以下右脚のトレーニングで記載します。
お尻の横側を鍛えられるトレーニングです。王道のトレーニングとなり、これ1つで充分と言える程の効果が期待できます。
横向きになり、耳から/肩/腰骨/くるぶしまでが一直線になるようにします。
手は楽な位置で構いません。つま先は正面を向け、上にある脚を持ち上げます。その時にくるぶしが天井に吊り上げられているイメージで行いましょう。
※注意点
・状態が前後に傾いたり、腰や股関節が曲がるとお尻から力が逃げていきますので気を付けましょう。
・つま先を下に向け、踵を天井に向けるとお尻の外側から中心にかけての部分を鍛えられます。
●美尻トレーニングの効果を把握するには?
お尻は普段日常的に動かしてはいますが、身体への負荷として使用する機会は限られています。
お尻のトレーニングを行うと筋肉痛になると思いますので、実践したトレーニングと筋肉痛が起きている部位の照らし合わせをするとトレーニングが合っていたのかなどの確認が行えます。
また、お尻は複数の筋肉痛から成り立っており、脂肪がついている為筋肉自体の確認は難しいかもしれませんが、サイズ感として効果の確認をすると結果は必ず出ます。
普段動かさない程、動かした後の効果は出やすいので目に見えて効果が現れるでしょう。
●まとめ
お尻のトレーニングは非常に沢山存在します。さり気なく行ったトレーニングでも筋肉痛が起こると、「あ、このトレーニングお尻にも効くんだ」という発見も多くあります。
自分に合ったトレーニングを探すのは大変かもしれませんが、とにかく続ける事が重要になりますので、自分の身体が変わるビジョンを見失うことなく継続してみてください。
執筆者:講師B
指導歴18年のINSPA社員。
INSPAのヨガ養成部門「アカデミア」の講師として、身体の基礎知識や解剖学など一から研修し、未来の輝くヨガインストラクター・トレーナーの育成を手がける。
‣保有資格
JHCAフィジカルコンディショナー
ラディカルフィットネス:ファイドウ オフィシャルトレーナー
ラディカルフィットネス:ユーバウンド オフィシャルトレーナー
全日本剣道連盟 剣道四段 剣道指導者
‣指導実績
フィットネスクラブでの指導
累計スタジオレッスン本数3,500本
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